西オーストラリア大学の研究者たちは、交通調査を自動化し、将来の道路設計を改善する可能性のあるより良いデータを提供するために、人工知能を使用したプログラムを開発した。
Main Roads Western Australiaとの提携により設計されたビデオ・コンテンツ・アナリティクス・ソフトウェアは、交通モデリングに使用されるデータの質を向上させ、手間がかかり不正確な従来の手動による交通調査に取って代わる可能性がある。
このプロジェクトは、ITS Australia’s Excellence in Research and Development Award 2020の最終選考まで残っている。
道路設計者は、彼らの設計のパフォーマンスを予測するために交通モデルに依存しており、モデルは入手可能なデータと同じ程度の精度のため、質の高いデータがないことが長年の問題となっている。
これに対応するため、UWAの計画交通研究センター(PATREC)とコンピュータ科学・ソフトウェア工学部門の研究者たちは、コンピュータが映像中の物体を識別して追跡するのに役立つ人工知能の一種であるコンピュータビジョンを使って、交通データを自動的に抽出するプログラムを開発。
交差点のほぼ真上を飛行して鳥の目のビューを与えるドローンとは異なり、このソフトウェアは、より極端な角度で動作し、フライトの場所とキャプチャできるデータについてより柔軟に対応できる。
Main Roadsによる初期の独立した検証では、ソフトウェアは困難な状況下での車両の検出と追跡で97%の正確さを示した。
UWA の計画および交通研究センターのChao Sun博士は、ソフトウェアの開発は、ドローンおよびコンピュータ技術の急速な進歩を遂げた今だからこそ可能になったものだと話す。
「ビデオ・コンテンツ・アナリティクス・ソフトウェアは、ドローンや近年になって初めて利用できるようになったコンピュータ・プログラミングなどの最新技術を取り入れており、手動でのカウントは不可能ではないにしても、困難なデータを抽出することができます。」とSun博士は述べている。
「私たちは世界初ではありませんが、私たちのソフトウェアは、非常に長い車両の検出やより詳細な分類など、オーストラリアの交通状況やエンジニアリング基準に合わせて特別に作られています。」
コンピューティング・物理・数学学部の学部長であるMark Reynolds准教授は、このプロジェクトは、交通研究者とコンピュータ科学者、そしてUWAとMain Roadsの間のコラボレーションの良い例だと述べた。
「我々のソフトウェアが採用されることで、これまで交通モデリングの弱点とされてきたローカル交通データのデータ品質と量が大幅に改善されることが期待されています。」とReynolds准教授は話す。
「より良いデータはより良いモデリングにつながり、それが交差点や道路設計の改善につながり、政府の投資をより効率的に活用することにつながります。」
Main RoadsのOperational Modelling and Visualisation Managerを務めるHannah Saunders氏は、UWAと協力することで、Main Roadsは必要なデータと出力を正確に受け取ることができるようになったと話す。
「このプロジェクトのおかげで、システムが何を測定しているのか、どのくらい正確なのかを正確に理解できるように、さまざまなオプションを検討することができました」
チームは現在、ソフトウェアプログラムの商業化に取り組んでおり、すでに業界の関心を集めている。
【原典】Researchers design new software to automate traffic surveys
(24 NOV 2020)
URL https://www.uwa.edu.au/news/Article/2020/November/Researchers-design-new-software-to-automate-traffic-surveys