この新しいソフトウェアパッケージは、世界で最も強力な顕微鏡の一つであるタンパク質や他の分子の3D画像を簡単に構築できるようにすることで、創薬や生物医学研究を支援することを目的としている。
数学および応用・計算数学プログラムの教授である Amit Singer氏と彼のチームは、「単一粒子再構成のためのアルゴリズム」(ASPIRE)と呼ばれるパッケージを開発している。このパッケージは、低温電子顕微鏡で撮影した2次元画像を取り込み、人間の手を煩わせることなく信頼性の高い3次元構造を生成することができる。
このパッケージは、完全に自動化された高速なデータ処理を提供し、高精度な画像を生成する。既存のソフトウェアパッケージでは、どの画像を解析に含めるかについて人間が入力する必要があるが、ASPIREではユーザーによる変更がほとんど必要ないため、バイアスの可能性が低くなっている。ASPIREは、3D構造の初期推定から始まる現在のソフトウェアとは異なり、初期推定はせずに、画像そのものに頼っている。チームの長期的な目標は、生体分子の構造をより簡単に創薬や研究に利用できるようにするための商用ソフトウェアパッケージの開発である。
Singer氏の研究は、2019年11月に開催された毎年恒例のCelebrate Princeton Innovation(CPI)イベントで取り上げられ、幅広い社会的影響力を持つ可能性のある発見、発明を生み出している教員や学生研究者の仕事をハイライトした。
今年、CPIは11月4日から6日まで開催されるバーチャル会議「Engage 2020」の一環として、プリンストンのイノベーターや起業家、産業界、非営利団体、政府など、州、地域、グローバルなイノベーション・エコシステムのリーダーたちの間に新たなつながりを生み出すためにプログラムのCPI部分は11月5日(木)15:30~18:00となる。
原典【Software for determining the 3D structure of proteins】(3 NOV 2020)
URL;https://www.princeton.edu/news/2020/11/03/software-determining-3d-structure-proteins